ありきたりの家をつくっていませんか?

 

クライアントさんの商品企画会議に参加する

ことがあります。

 

今度はどんな建売住宅を建てようか、とか

工務店の場合はどんな住宅企画で攻めようか

という会議です。

 

最初は、喧々諤々(けんけんがくがく)

いろんな意見が出るのですが、

 

最終的にまとめると、

今までの家とほとんど変わらない、

ということがよくあります。

 

先日もある会社で新しいブランドの商品企画

会議があったのですが、結果は上記の通り。

 

ブランド名が違うだけで今までのものと大し

てテイストは変わりません。

 

そこでお話ししたのが、

次の「老人と少年とロバの話」です。

 

老人と少年、そしてロバが

街に向っていました。

 

少年がロバに乗り、

老人がその横を歩いていると、

 

それを見ていた人が、

 

「年寄りが歩いて

 子供がロバに乗ってるなんて恥ずかしい」

 

と言いました。

 

2人はその批判がもっともだと思い、老人が

ロバに乗って少年が歩くことにしました。

 

しばらく歩くと、今度は通りすがりの人が

 

「ヒドいじゃないか!

 あの男は子供を歩かせているぞ」

 

というのを聞いたので、

今度は2人とも歩くことに決めました。

 

するとスグに誰かが、

 

「ちゃんとしたロバに乗れるのに

 歩くなんてバカじゃないのか?」

 

と言ったので、

2人は一緒にロバに乗りました。

 

今度はすれ違った人が、

 

「小さなロバに2人で乗るなんて

 ロバが可哀想だ」

 

と言ったので、

少年と老人はそのとおりだと思い今度は

ロバを担ぐことにしました。

 

しかし、橋に差し掛かった時、

2人は力尽きてロバから手を離してしまい、

ロバは川に落ちて死んでしまいました。

 

さて、この話の教訓は何でしょうか?

それは

 

”全ての人を喜ばそうとすると

 元も子もなくなってしまう”

 

ということです。

 

建売住宅は特にこの傾向が強いようです。

お客様の間口を広げ、なるべく多くの人に

好かれる家をつくることが建売住宅の使命

だと考えている人がたくさんいます。

 

しかし、それは過去の話。

住宅需要が旺盛で、家を所有することに

価値を見出す人が多かった時代の話です。

今とは時代背景が全く違います。

 

今はどんな時代か、というと

多様性の時代。個性の時代です。

だから万人ウケする家は売れません。

 

万人ウケする家=ありきたりの家

 

つまり、万人ウケする家をつくればつくる

ほど苦戦するということ。

 

批判を恐れず「とんがった家」をつくること

が大切ですよ。