世の中に絶対はない。

 

とある建売会社の商品企画会議に参加してい

た時のこと。

 

商品企画も大詰めを迎え、あとは社長の決済

だけという段階で社長が責任者にこんなこと

を言いました。

 

「この企画なら絶対売れるんだろうな!」

「売れなかったら責任とれるんだろうな!」

 

どこまで本気で言ったのかはわかりません。

ただ単に責任感を与えるために言っただけな

のかもしれません。

 

しかし、この言葉は余りにも無神経。

一気に参加者のテンションが下がりました。

 

そもそも、商品企画会議には社長も毎回出て

います。新商品の開発意図や他社との違い、

差別化ポイントもわかっているはず。

 

それにも関わらず最後の最後にこんな言葉が

出てくると担当者は萎縮します。

参加者全員、ドン引きでした。

 

まあ、コンサルタントをしていると同じよう

なことを直接言われることがあります。

 

「あなたの言う通りやったら絶対売れるんで

すよね」と。

 

正直、私の言う通りやっても絶対に売れるか

どうかはわかりません。

 

ビジネスの世界に絶対はないからです。

 

世の中にやる前から絶対に売れる、儲かると

いう仕事があるなら誰でもやります。

 

競馬で次に勝つ馬がわかっているなら全財産

をかけて勝負すれば誰でも大金持ちになれる

のと一緒です。

 

しかし、現実の世界には絶対はありません。

 

どんなに事前の調査をしても、

どんなに大きな会社であったとしても、

成功するかどうかは、

タイミングやスタッフのスキル、

広告の良し悪しなど

様々な要素が関係してくるからです。

 

有名な例にマクドナルドのサラダがあります。

 

マクドナルドがお客様にどんな商品が欲しい

かアンケートを取りました。

 

その結果出てきた答えは、健康的なサラダが

ほしいといった要望でした。

 

そこで健康的なサラダを作り、大々的に販売

してみたのですが、これが全く売れない。

 

お客様本人が欲しいといったものを売ってい

るのに、売れないわけですから、いかに予測

をすることが難しいかわかります。

 

では、どうすればいいのか?

 

まずは小さくはじめてみることです。

小規模なビジネスではじめて、試行錯誤を繰

り返しながら徐々にビジネスを大きくしてい

く。これしか売れる確率を上げていく方法は

ありません。

 

絶対を求めれば人は萎縮して動きません。

そうなれば成功の芽を摘むだけ。

 

それより小さな芽を育てることの方が

はるかに価値があります。

 

絶対を求めない代わりに、

PDCA(計画、実行、検証、改善)をしっかり

やりましょう。嫌でも成功できるような計画

をみっちり立てましょう。それが新商品を成

功に導く唯一の方法です。