顧客ターゲットを変えろ!

 

スバル(富士重工業)が絶好調です。

スバルと言えば、戦前の中島飛行機以来の実

直な「技術者魂のクルマづくり」のイメージ

で、その代表は4WD(四輪駆動)や水平対向

エンジンの技術。

 

本田宗一郎氏の個人的な人気もあったホンダ

とはまた違うニュアンスでクルマ好きに支持

されてきました。 

 

しかし販売はトヨタや日産やホンダの後塵を

拝して数字があげられず、

 

「いいクルマをつくるけれど商売は不得意」

「万年中堅メーカー」

という評価が、よく言われてきました。 

 

当然、経営状況も思わしくなく、

かつては親会社の日産、メインバンクの日本

興業銀行(現みずほ銀行)から何度も支援を

受け、2000年に親会社が日産からGMに代わ

っても、2005年にGMが持株を売却してトヨ

タが筆頭株主になっても、そのたびに支援を

受けてきたのが現実です。 

 

それが今、売上高営業利益率でトヨタの

10.1%を上回る14.7%(2015年3月期)で

業界トップの「ピカピカの好業績企業」に

大変身したのです。

 

大変身できた理由はいくつかありますが、

建売業界の人に注目して欲しいのは

「顧客ターゲット」の変更です。

 

以前のスバルは、走りを重視する男性(スバ

リスト)をターゲットにしていました。

 

そのターゲットを思い切ってアウトドア好き

なファミリー層へと変えたのです。

 

それに伴って、売り方も全て変えました。

売り場は、車を並べたショールームのような

売り場から、国内スバルの4割を利用シーン

を演出した売り場へ変更。

 

売り場には人工芝を敷き、川や岩、木、テン

ト、カヌーなどをクルマの近くに配置しスバ

ル車のあるアウトドアライフを提案していま

す。

 

また、キャッチコピーも顧客ターゲットに

合わせて変更しました。

 

以前は、

「Think.Feel.Drive」

「Fantastic moments」

「Confidence in Motion」

でしたが現在は、

 

「安心と愉しさを SUBARU」

「クルマは人生をのせるものだから」

「そのクルマはあなたの人生を高めていく」

 

TVCMも、以前は車種や技術を連呼していま

したが、現在は家族愛をテーマにクルマを介

した家族との絆を訴求しており、笑顔を前面

に出すよう意識しています。

 

そして、販促活動には

「スバルネクストストーリー」と題した釣り

やスキー、登山、自転車などのアウトドアイ

ベントを企画し、スバル車で出掛ける愉しさ

を訴求。決して車の話はしません。

 

これらが相乗効果を発揮して現在の絶好調を

生み出したのです。

 

これはそのまま建売住宅販売にも応用できま

す。

 

まずは顧客ターゲットをしっかり絞り、

顧客ターゲットが興味を示すような売り場、

売り方、メッセージに変えることです。

 

そうすればあなたの会社もスバルのように

大逆転できるかもしれません。

 

長年の顧客ターゲットを変更するのは勇気の

いることです。しかし、満足する結果が残せ

ていないなら、思い切って顧客ターゲットを

変えるのも一つの経営判断。

 

勇気を出してみてはいかがですか。