経営者は商品に惚れ込むな!

 

よく経営セミナーなどで言われることに

「商品を売りたければ、

 商品に惚れることが大切だ!」

ということがあります。

 

建売住宅で言えば、

自社の建売住宅を売りたければ、

自社の建売住宅に惚れることが大切だ!

ということになるのですが、

果たしてその通りでしょうか?

 

もちろん、自社の物件を良くないと思ってい

ては売れないのは当たり前ですが、自社の物

件は「サイコー!」と思い込んでいる人もま

た、売れない人が多いのが現実です。

 

商品に惚れ込んでいるのに、商品が売れない

とは、なんとも矛盾しているのですが、

そんな状況になる人には特徴があります。

 

それは、

物事を客観的に見れないという特徴です。

 

多くの建売会社の経営者にお会いすることが

あるのですが、「うちの物件はサイコーで

す、他社の物件には絶対に負けません」とい

うようなことを、とうとうと話す方がいらっ

しゃいます。

 

で、その方の物件を後からじっくり見てみる

と、正直、大した物件ではない、ということ

がほとんど。

 

もちろん、本人なりにいろんなところを工夫

しているのでしょうが、その良さが上手く伝

わっていない、もしくは、力を入れているポ

イントがお客様が望むポイントとズレていま

す。

 

それに気づかないで、うちの物件はスゴイと

吹聴されると、かなり「痛い人」に見えてし

まいます。

 

その上、そんな人は自社の物件を褒めるため

に他社の悪口を言います。そして余計に心象

を悪くさせるのです。

 

自社の商品に惚れることは大事です。

しかし、惚れ込みすぎると周りが見えなくな

ってしまいます。そのバランスが大事。

 

できれば、一歩引いて俯瞰して見るような

気持ちを持つことです。

 

自社の物件がサイコー!と思ってしまうと、

そこで成長が止まります。

 

他社の物件は大したことない、と思ってしま

うと心に隙が生まれます。

 

そして気づくと他社に大きく引き離されてい

る、そんな状況に陥りやすいのです。

 

自社の物件の良さは、自分の口で言ってはい

けません。自分の口で言うのは、自慢話。

自慢話で語られる内容は胡散臭く感じます

し、聞いていて疲れます。

 

それを防ぐ方法は、自分の口からは自社の褒

め言葉は言わないこと。代わりにお客様に語

ってもらうことです。

 

実際にあなたの物件を購入した人に、あなた

が自慢したいことをあなたの代わりに語って

もらう。そうすることで、自慢話から推薦の

言葉に変わるのです。

 

経営者は、商品に惚れ込んではいけません。

商品はいつも発展途上だと思いましょう。

 

そして、謙虚に他社の物件と比較しましょう。

それが、驕りを生まない秘訣。

お客様から支持される秘訣ですよ。