ブラック企業の落とし穴。

 

とある建設会社の話。

建売住宅と注文住宅を営むその建設会社は

成約率の低さに悩んでいました。

 

いつもいいところまで話が進むのですが、

最後にひっくり返されることが頻繁に起きて

いたからです。

 

断り文句はいろいろ。

多くのお客様が当たり障りのない断り文句で

断ってくるため本当の理由がどこにあるのか

わかりませんでした。

 

それでも、全く売れないということではない

ため、その問題は放置されていたのですが、

あるお客様からこんな断り文句を聞いたので

す。それは、

 

「ブラック企業の家は買う気にならない」と

いう断り文句です。

 

正直、その会社の離職率は褒められたもので

はありませんでした。

 

入社前と入社後の労働環境が違うのは当たり

前。事務職で入社したのに営業をさせられる

なんてことも日常茶飯事。

 

売上が目標に達しなければ休日はカット。

なかには半年以上休みがないという社員もい

る会社です。

 

もっとも、そんな内部情報をお客様が知る術

はないのですが、なぜかそのお客様は知って

いたのです。

 

最初は、たまたま誰か知り合いにその会社の

ことを知っている人がいたのかな、と思って

いたのですが、相変わらず成約率は何をやっ

ても変わりません。

 

そこで真剣に調べてみることにしたのです。

結果、わかったことは「ネットによる書き込

み」でした。それも労働環境についての書き

込みです。

 

その会社は離職率が高いこともあって、

頻繁に求人を募集していました。

 

インターネットでも募集をしていたのですが

なにぶんネットに詳しくない社長さんなので

集客は事務員にお任せ。自分は面接だけを担

当していたのです。

 

実は、最近の求人サイトには会社の実態を知

ってもらうための元社員の書き込み欄があり

ます。

 

転職したのに話が違っていたということをな

くすために求人サイトが積極的に設けている

コーナーなのですが、ここにこの会社の実態

が元社員の言葉としてバッチリ書かれていた

のです。

 

私も読んでみましたが、正直、私も知らない

ような会社のブラック企業ぶりがてんこ盛

り。これから家を買おうと思うお客様が読ん

だら尻込みするのもムリはありません。

 

最近のお客様の傾向としては、購入を真剣に

考えると売主を調べる傾向があります。

 

当然、インターネットで調べることになるの

ですが、「売主名、評判」と検索すると瞬時

にその会社の評判が出てきます。

 

そこにどんなことが書かれているかによって

は、成約率に影響を与えます。

 

この会社は建物に関しては悪い評判は書かれ

ていませんでしたが、労働環境についてはボ

ロクソに書かれていました。

 

インターネットで何でも調べられる世の中で

す。会社のあり方もお客様の購入判断のひと

つになる時代。急成長している会社ほど注意

が必要です。