失敗からは学べない。

 

ビジネスの世界にしろ、

スポーツの世界にしろ人は美談に憧れます。

 

苦労して苦労して、努力して努力して、

そして、成功を掴んだ、という話しには

人を惹きつける魅力があります。

 

そのせいか、苦労することや、困難に立ち向

かうことが正しいこと、と勘違いする人も多

いようです。

 

ただ、実際はそんな苦労を克服できる人や、

どんなに打ちひしがれても這い上がって来れ

る人はほんの一握り。たいていは、そんな困

難や苦労に押しつぶされて挫折する人がほと

んどです。

 

つまり、そのやり方は一般的ではないという

こと。ごく一部の能力の高い人には可能でも

フツーの一般人には向いていないということ

です。そして、それを社員に強制するとたい

ていの社員は潰れてしまいます。

 

では、どうしたらいいのか?

 

一番簡単な方法は、苦労させないこと。

苦労して掴んだことではなく、うまくいって

掴んだことをノウハウにすることです。

 

ノウハウには2つの取得方法があります。

失敗から学ぶノウハウと

成功から学ぶノウハウ。

 

私たちは失敗すると反省するように条件づけ

られています。

 

なぜ、失敗したのか?

については条件反射のように考えます。

 

しかし、なぜ成功したのか、

についてはじっくり検証しません。

 

うまくいったのだからそれでいい、

うまくいった理由を考えるより、うまくいか

なかった理由を考えて、次回に活かせばもっ

とうまくいく、と考えてしまいます。

 

実は、ここが落とし穴。

うまくいった理由をしっかり咀嚼しないと、

腹に落とし込まないと、次にまた同じような

成功は得られないのです。

 

なぜなら、たまたまうまくいっただけ、かも

しれないからです。

 

意図してうまくいったのか、意図せずにうま

くいったのかは、結果だけを見ていてはわか

りません。

 

うまくいった理由を検証してはじめてわかる

もの。だからこそ、成功した時ほど検証が大

事なのです。

 

失敗した理由は、簡単にはわかりません。

そもそも簡単にわかるようであれば最初から

失敗はしません。

 

わからないから失敗するのであって、

失敗した後にどれだけ検証しても理由がわか

らないこともあります。それだけ失敗から学

ぶのは大変なのです。

 

それに対して、成功した理由はわかり易い。

うまくいった理由を考えるのは精神的にも楽

ですから、頭も活発に動きます。だからこそ

うまくいった理由をしっかり検証するのです。

 

そして、それを徹底的に自分たちのノウハウ

に落とし込む。決して忘れないよう体に覚え

込ませるのです。その方が、失敗から学ぶよ

りはるかに簡単ではるかに効果があります。

 

大切なことは、失敗から学ぶことではありま

せん。まずは、成功から学ぶこと。

お試しください。