なぜあの店は美味しくないのに流行るのか?

 

昨日、あるクライアントさんに誘われて飲み

会に参加しました。

 

そのクライアントさんは、建売事業とは別に

飲食関係のビジネスもしているのですが、

そのビジネスのヒントが欲しい、ということ

で、視察がてらクライアントの見込み客のお

店に数人で訪れたのです。

 

場所は、繁華街の少し外れ。

駅からは10分程度かかるでしょうか、

飲食店としては一等地ではありません。

 

事前に、クライアントさんのスタッフが

食べログでチェックしたところ、

評価はまずまず。期待して行きました。

 

最初の話では、イタリアンのお店ということ

でしたが、実際はイタリアンではなく、お肉

をメインにしたお店。

 

「肉バル」という最近流行っている業態で、

肉の寿司やステーキ、アヒージョなどがメイ

ンのお店でした。

 

カジュアルな雰囲気のお店で、私たちが行っ

た頃(午後7時頃)には、7割程度の混み具

合でした。平日の木曜日ですから、まずまず

でしょう。

 

その後、どんどん客足は伸びて9時頃には

ほぼ満席という状態でした。

 

で、味はどうか?

と言うと、みんなの一致した意見では、

「大したことない」と言うのがホンネ。

 

肉料理専門店のような雰囲気で売ってはいる

のですが、そのメインの肉料理自体が大した

ことがないのです。

 

正直、すべての料理がそこそこのレベル。

決してマズイわけではありませんが、

美味しいには程遠い感じ。

素人の料理と大差ありません。

 

では、インテリアはどうかというと、

これもかなり低レベル。

 

店舗としては、かなり低い予算で仕上げてい

るため、椅子の座り心地も悪ければ、話声が

反響してうるさくてたまりません。

 

もちろん、それでも安ければいいのですが、

金額はそこそこ高め。私たちは単品で色んな

料理を頼んだのですが、決して安くはありま

せん。

 

でも、流行ってるんです。

 

そこで皆んなで、何でこんな場所で、こんな

レベルの料理で、こんなに流行っているのか

を考え始めました。

 

そこで出てきた答えは、

ターゲットを絞っていること。

そして、お値打ちな料理が一つある

ということでした。

 

ターゲットに関して言えば、

来店している人のほとんどが学生風の若い人

たち。実際、私たちのテーブルの隣は、学生

の合コン。

 

他にも学生風の女の子の女子会や、カップル

も若い人ばかり。私たちのような年齢層は誰

もいませんでした。

 

要するに、若い人向けのお店。

味はそこそこで満足できる人を対象にしたお

店です。

 

だとすると、単品料理の価格は高すぎると思

うのですが答えはコース料理にありました。

 

150分飲み放題にコース料理がついて3,200

円という料理があるのです。だから、学生が

コンパで利用するのです。

 

要するに、今流行りの業態のお店で、

味にうるさい人ではない、みんなでワイワイ

ガヤガヤ楽しみたい若い人を対象にしたお店

ということです。だから、少々場所が悪くて

も流行っているのです。

 

で、このお店はどんな人が経営しているかと

いうと、オーナーは22歳。

 

最初は雇われ店長だと思ったのですが、

なんと22歳の店長がこのお店のオーナーとい

うからビックリ。

 

きっと自分の肌感覚と客層がピッタリ一致し

たから成功できたのだと思います。

 

この事例から私たち建売業者が学べることは

ターゲットを絞ることの大切さと、一つでい

いから競合に勝てる魅力をつくるということ。

 

このお店のように料理にうるさくない客をタ

ーゲットにすれば、そこそこの料理でも繁盛

します。

 

そして、たった一つ、150分飲み放題をコー

ス料理に追加すれば、120分飲み放題のお店

に勝てるということ。それを目当てに来店す

る人が増えるということです。

 

建売住宅も然り。

そこそこの住宅設備で満足できる人をターゲ

ットにすれば高スペックの家は作らなくても

いいということ。

 

高スペックの家を作らなくても、競合他社よ

り何か一つ勝てる特別なモノを作ればそれで

勝負できるということです。

 

あなたの建売住宅は、しっかりターゲットを

絞っていますか?ターゲットが魅力を感じる

ライバルにないメリットをつけていますか?

 

それが決まれば、あなたもこのお店のように

しっかり利益を取れる会社になれます。

 

じっくり考えてみてください。