批判だけなら誰でもできる。

 

先日、とある会社の役員会に出席させていた

だきました。

 

これからの会社について役員や顧問の意見を

伺いたいという趣旨の会です。

 

その会の中で、ある年配の方が会社の現状に

ついて批判をはじめました。

 

この方は、元々は大手の銀行員という方で、

詳細はわかりませんが、それなりのエリート

だった方のようです。

 

忌憚のない意見で、理路整然として、もっと

もな話でした。

 

社員が遠慮して言えないようなことも、社長

に向かって話をする様は、ある意味「爽快」

ですらありました。

 

すごい人だなぁ、と思って黙って聞いていた

のですが、途中から雲行きが怪しくなってき

ました。

 

それは、終始、会社の批判しか出てこないか

らです。

 

なぜ、ダメなのか?

どこが、ダメなのか?

こんな事業は必要ない、ヤメてしまえ!

こんな会社は倒産しているのと同じだ!

と、好き勝手に批判はするのですが、何一つ

具体的な解決策が出てこないからです。

 

正直、会社の問題点は社員を含め、その会に

参加している人は全員わかっています。

 

問題は、わかってはいるけど、どうしたら

解決できるか具体的な方法がわかっていな

いこと。

 

解決に向けた具体的なステップがわかって

いないことです。

 

そこを指摘されると、その方は、

「そんなことは自分たちで考えろ!」

「そんなこと言ってるからダメなんだ!」

「それを甘えというんだ!」

と、烈火のごとく怒りはじめます。

 

これでは、何の解決にもなりません。

 

長年、低迷の続いている会社です。

正直、社長をはじめ社員も何をしたらいいの

か、わからない状態。

 

いろんなことを試しては見るのだけど、

うまくいかない状態です。

 

そんな人に向かって、

「もっと努力しろ!」

「やり方は自分で考えろ!」

「甘えるな!」

と言ったところで建設的な意見が出てくる

わけはありません。

 

今必要なことは、具体的な解決策です。

 

何を、どのように、どんな順番でやったら

いいのか、という具体的な意見です。

 

それが言えないなら、どれだけ批判したとこ

ろで何も変わりません。ある意味、批判する

資格はありません。

 

これは上司と部下の関係も同じ。

「もっと頑張れ!」

「やり方は自分で考えろ!」

は、指導でも何でもありません。

 

むしろ、上司としては職場放棄の考え方。

単なる精神論です。

 

もちろん、精神論だけで勝負することもでき

ますから、社長がそれを選ぶなら、それはそ

れで問題はありません。ただ非効率な点も多

いのは事実です。

 

批判だけなら、誰でもできます。

批判をするなら具体的な提案をしましょう。

そんなことを感じた役員会でした。