変化していますか?

 

今、京都で最も人気のある紅葉スポットをご

存知ですか?

 

それは、瑠璃光院(るりこういん)。

 

瑠璃光院は、京都の八瀬(やせ)という地に

ひっそりと佇む由緒あるお寺。

 

「八瀬」という地名は「矢背」とも記すこと

ができ、これは壬申の乱(672年)で背中に

矢傷を負った大海人皇子(おおあまのおう

じ、後の天武天皇)が「八瀬の釜風呂」で傷

を癒されたことが由来と言われています。

 

それ以来、貴族や武士たちから「やすらぎの

地」として愛されてきました。

 

そんな瑠璃光院ですが、人気紅葉スポットに

なったのはまだ最近の話。それまでは、観光

客にはあまり知られていない、知る人ぞ知る

紅葉スポットだったのです。

 

で、どれくらい人気なのかということですが

時間ごとの整理券を購入しなければいけない

ほど。平日でも、入場券を購入するのに100

人以上の人が並ぶこともあるそうです。

 

ちなみに、拝観料はなんと大人2,000円!と

京都でもぶっちぎりの高さ。

 

営業時間は、10時から17時までですから、

各時間帯に100人ずつ並んだとしたら、1日の

売上は160万。月商で4,800万円(笑)。

 

但し、拝観できるのは年に2回(春と秋)だ

け、わずか4ヶ月だけというのも人気に拍車

をかけているのかもしれません。

 

そんな瑠璃光院ですが、最初から紅葉スポッ

トとして人気があったわけではありません。

 

元々は、幕末の実業家の別荘で、次には高級

料亭旅館として営業していたそうです。その

後、京福電気鉄道が所有し、2005年になって

寺院になったとのこと。

 

それまでは非公開だったのですが、あまりに

庭が美しいので、今では年2回、合計4ヶ月だ

け一般公開をするようになったのです。

 

それがSNSによって世界中で話題になり、1人

2,000円という破格の入場料をとっても、さ

ばききれないくらいの観光客が来るようにな

ったというわけです。

 

で、何が言いたいのかというと、企業は変化

することが大切だということです。

 

「変化」とは程遠い印象のあるお寺でさえ、

しっかりとお客さんや市場のニーズに合わせ

て変化し、適応している。その結果が、これ

だけの人気スポットになる秘訣だということ

です。

 

例えば、お寺などでは、写真撮影禁止という

ところもたくさんありますが、瑠璃光院は、

写真撮影OK。そのため、そこを訪れた人が綺

麗な庭の写真をSNSで全世界へ配信してくれ

ます。

 

そして、それを見た人がまたここを訪れ、

自分の感動を写真と言葉にしてSNSで配信す

る。そんな善循環が生まれています。

 

それもこれも、変化を受け入れたから。

市場のニーズに応え、うまく対応できたから

こそ今の人気があるのです。

 

あなたの会社は市場のニーズに応えています

か?変化を恐れてはいませんか?

 

現状に満足することは、変化を拒否するこ

と。そしてそれは、衰退への道ですよ。