異業種に学ぶ高額商品の売り方。

 

バルミューダという会社を知っていますか?

 

バルミューダとは、東京都武蔵野市にある小

さな家電メーカー。究極の「省エネ扇風機」

として大ヒットした「GreenFan Japan」の

製造メーカーです。

 

外側と内側の二重構造になった羽根を考案し

自然界に吹くような風を作り出すことに成功

したこの扇風機は、なんと価格が38,000円。

家電量販店なら3,000円で扇風機が買える時代

ですから、10倍以上の価格。それにも関わら

ず大ヒット。売り切れする扇風機として話題

になりました。

 

そんなバミューダが、新しく売り出したのが

トースター。 開発期間、およそ1年。6,000

枚以上のトーストを焼いてやっと見つけた炭

火のような焼き加減を再現したトースター

は、外はカリっと、中はふんわりとジューシ

ーで香ばしいパンが焼けると大評判。

 

価格は25,000円ながらこちらも10万台を超

える大ヒット。安いトースターの10倍の価格

です。

 

確かに、商品はいいでしょう。

しかし、一般的な商品の10倍の価格で売るに

はただ商品がいいだけでは売れません。

 

その良さをわかりやすく消費者に伝えること

ができるかどうか。これが高額商品を販売す

るコツです。

 

で、バミューダはどうしたのか?

業界の常識を覆す作戦に出たのです。

 

それは、パンフレットの写真にトースターを

載せないという作戦です。

 

一般的に家電製品のパンフレットでは表紙を

飾るのは商品そのものの写真です。この商品

はどんなデザインで、どんな色で、どんな質

感か? それを、まずパンフレットの表紙で

伝えるのが常套手段でした。

 

しかし、バミューダはパンフレットの表紙を

主役であるトースターそのものではなく、美

味しそうな「パンの写真」にしたのです。

 

さらに、パンフレットだけではなくポスター

も「美味しいイメージ」を全面に打ち出すた

め、このトースターで焼ける様々なパンの調

理例を並べたのです。

 

その結果どうなったのか?

バルミューダのトースターを「性能がいいん

ですよね」と言って褒める人は少なく、

「あれ使うと、おいしいんでしょ!」と噂さ

れるようになったのです。

 

そして、発売と同時に大ヒット。

通常のトースターの10倍という価格にもかか

わらず10万台というメガヒット商品になった

のです。

 

高額商品を販売するには商品そのものが良質

であることは必須。しかし、それだけでは売

れません。

 

高額商品を売るには、バミューダのように販

売戦略をどうするかまで考えることが大事。

業界の常識にとらわれない大胆な発想が重要

です。お試しください。