情報は公開しろ!

 

建売業界に限らず、多くの業界では情報は、

隠した方が価値がある、と思われています。

 

要するに、

「まだ出回っていない情報なんでが・・・」

という情報の方が価値が高いということ。

 

それは、それで間違っているわけではありま

せんが、情報を公開したら価値がなくなるの

かというかというとそうでもありません。

 

逆に、情報を公開すること(多くの人に知っ

てもらうこと)で商品が売れるということも

多々あります。

 

先日、お笑い芸人(現在は絵本作家)のキン

グコング西野さんが、「えんとつの町のプペ

ル」という絵本をネット上で無料で公開しま

した。

 

この本は、定価2,160円で販売していた絵本

でかなりの人気本だったのですが、小さな子

どもから、2,160円は高くて買えない・・・

という声が届いたことから、ネット上ですべ

て読めるように無料公開することにしたので

す。

 

まあ、今までの常識からするとかなり非常識

な行動です。当然、いろんな人から抗議の声

が上がりました。

 

「安売りするな!」

「クリエイターにお金が回らなくなる!」

 

最も多いのは、クリエイターからの批判の

声。無料で公開されては、クリエイターにお

金が回らなくなり、いい作品が作れなくなる

というものです。

 

確かに、その意見も一理あるのですが・・・

無料公開した後、どうなったか?

 

無料公開した絵本がAmazonの総合書籍ラン

キング1位になってしまったのです。

 

つまり、バカ売れしたということ。

 

インターネット上ですべて無料で読むことが

できる絵本にもかかわらず、

 

ストーリーも、実際の絵も、すべて知ること

ができるのにもかかわらず、

 

それを購入する人がいるということ。

それも大量に。

 

この結果について、キングコング西野さん

は、こう語っています。

 

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この一件をビジネス的な観点から切り取ると

「人は確認作業で動く」

「人は知っているモノを買う」

と言えるでしょう。

 

旅行が良い例だと思います。

グランドキャニオンしかり、

万里の長城しかり…

僕らが旅行をする時は、テレビやネットやパ

ンフレットで、すでに(ほぼ)知っている場所

に《お金を払って》行きます。

 

逆に、旅行会社の人に「10万円払ってくれた

ら、最高の場所に連れてってあげるよ」と言

われても、なかなか動きません。

 

人が行動する動機は往々にして『確認作業』

で、つまり《入り口を無料化する=価値を下

げる》ではないということ。

 

入り口でお金を徴収することで失ってしまう

仕事があるということ。

 

ただ、もしかしたら、『本』は…もっと言う

と『絵本』は、「お金を払って買いたい人は

本を買って、無料で読みたい人はネットで無

料で読めるモノ」になれるかも、と思いまし

た。

 

無料で提供したところで価値は下がらない

し、たくさんの人に知られてさえいれば、マ

ネタイズは後からいくらでもできると思いま

した。

 

特に『えんとつ町のプペル』はスタッフと

何度も衝突して死ぬ気で作り上げた自信作な

ので、無料で読み終わった後に

「買って、手元に置いておこう」と考える人

が出てきてくれるかもしれない思いました。

 

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建売業界、不動産業界の多くの人は、情報は

隠すべきだという常識にとらわれています。

 

だとすれば、それを逆手にとって積極的に情

報公開するのも一つの方法です。

 

「人は確認作業で動く」

「人は知っているモノを買う」

 

絵本より家の方がこの傾向は強いと思うので

すが、あなたはどう思いますか?