人はいつ幸せを感じるのか?

 

私たちが住まいを購入する究極の目的は、

「幸せ」になることです。

 

だとすれば、

どんな状態のとき私たちは幸せを実感し、

どんな状態のとき不幸せを感じるのか、

がわかれば、家づくりも住宅販売も随分ラク

になります。

 

ノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大

学のダニエル・カーネマン教授らがテキサス

で働く909人の女性を調査した「幸福度ラン

キング」という調査結果があります。

 

この調査によると

上位の幸福度ランキングベスト5は、

 


1位. 夫婦の営み


2位.仕事帰りの友人とのおしゃべり


3位. 夕食


4位. リラックス


5位. 昼食

 

逆に、ワースト5は、


1位. 朝の通勤(電車など)


2位. 仕事


3位. 夕方の帰宅(電車など)


4位. 子供の世話


5位. 家事   

 

です。

 

これを見ると私たちが感じる幸福というのは

案外お金のかからないものばかり。ささやか

な日常の行動に集約されるということです。

 

実際、ベスト5の中でお金を使うとすれば、

夕食と昼食くらい。ただ、毎日外食ばかりで

は飽きてしまいますから、幸せになるにはそ

れほどたくさんのお金はかからないというこ

とです。

 

一方、ワースト1位は、朝の通勤。

そして、ワーストの3位は、夕方の帰宅。

 

要するに、家と職場とを往復する長距離の通

勤は、私たちの幸福を著しく害するというこ

と。郊外の家を買っても、長時間通勤するこ

とは幸せに繋がらないということです。

 

実際、私たちは郊外の大きい家に住んだとし

てもすぐにその環境に順応してしまいます。

つまり、それが当たり前になってしまい、

幸せを感じなくなってしまうということです。

 

しかし、私たちは通勤による不快感にはなか

なか順応できません。これは、通勤が続く限

り、ずっとついてまわる不快な行動となって

私たちの幸福感を損ねます。

 

チューリッヒ大学のブルーノ・フレイと、

バーゼル大学のアロイス・シュトゥッアーが

ドイツの長期的データから算定した数字によ

ると、通勤に23分かかる人は給料を19%余分

にもらわないと、通勤ラッシュによる不快感

やストレスを埋め合わせができないといいます。

 

ドイツですらこの状況ですから、東京のよう

な人口過密地帯への通勤であれば、19%どこ

ろの話ではありません。

 

それにもかかわらず、多くの人は住まいを選

ぶ際に、通勤時間の与える苦痛について過小

評価しがちです。

 

広い家に住むことが家族の幸せ、自分の幸せ

につながると考えてしまいますが、実際は、

自分の幸せを損なう行為。疲れ果てたあなた

を見て幸せを感じる家族はいないということ

です。

 

だとすれば、通勤時間の短さは最大のメリッ

トとなるということ。物件からの通勤距離の

短いお客様は説得しやすくなるということで

す。ぜひセールストークの一つとして、お試

しください。