生兵法は大怪我の基。

 

失敗は成功のもと。

ことわざとしては、もっとも有名なものの

ひとつです。

 

ナポレオンヒルの名著「思考は現実化する」

にもそんな話があります。

 

それは、

アメリカのゴールドラッシュの頃の話。

 

当時、ダーヴィーの伯父さんも一攫千金を夢

見て西海岸へ出かけていきました。

 

現場に到着すると伯父さんは、シャベルとピ

ックを持ってすぐさま仕事に取り掛かりまし

た。

 

そして、1ヶ月以上も掘り続けた後、ようや

く鉱脈を掘り当てるという幸運に恵まれたの

です。

 

伯父さんは、早速、金鉱石を運び出す機械を

購入するために故郷へ帰りました。

 

そして、親族や近所の人々からお金を借りて

機械を買い込んだのです。

 

再び、ダーヴィーを連れて鉱山に戻った伯父

さん。ダーヴィーたちの掘り出した鉱石は、

最も良質のものだったので彼らはあっという

間に借金を返済しました。

 

あとは儲けるだけ。

 

しかし、ある日突然、金鉱脈がなくなってし

まったのです。

 

ダーヴィーたちは、絶望の淵にありながらも

祈るような気持ちでさらに鉱山を掘り続けて

いきました。しかし、どれだけ掘っても金鉱

脈は出てきませんでした。

 

諦めた彼らは、採掘設備の全てをわずか数万

円という安い値段で屑物商に売り払い、打ち

ひしがれながら故郷へ帰って行ったのです。

 

その後、その屑物商は鉱山技師に頼んで、試

しにこの鉱山の再調査を行いました。

 

その結果、調査した技師によればダーヴィー

たちが諦めた地点からわずか91センチ下に新

たな金鉱脈が眠っていることがわかったので

す。そして実際、そこから金鉱脈が発見され

たのです。 

 

それを知ったダーヴィーは、

諦めの早い男から、食いついたら放さない、

しぶとい男に変身しました。 

 

そして、保険のセールスマンとなってこの時

の失敗の何倍ものお金を取り戻すことに成功

するのです。

 

この話は、失敗は成功のもと、

諦めたらダメ、諦めない人が成功する、

ということの例え話によく利用されるのです

が、私は少し違った見方をします。

 

それは、生兵法は大怪我の基(なまびょうほ

うはおおけがのもと)ということです。

 

少しばかりの知識や技術は、それに頼ったり

すると、かえって大失敗をすることのたとえ

ですが、ダーヴィーたちはまさにその典型。

 

中途半端な素人の知識で判断しないで、プロ

の鉱山技師の力を借りていればそもそも大損

することはなかったのです。

 

失敗から学ぶことも大事、

諦めないことも大事。

しかし、しかるべきプロを利用すれば最初か

ら失敗する確率は格段に下がります。

 

そこのところくれぐれもお間違えなく。