机で分析、現場で検証。

 

シューズ市場で圧倒的なシェアを誇り、トッ

プを快走する企業といえば、ABCマート。

 

積極的な出店を背景(2016年末での国内店舗

数910店舗)に、2016年2月期まで13期連続

で増収増益を達成しています。

 

シューズ業界では圧倒的な強みを誇るABCマ

ートですが、その強みの源泉はどこにあるの

でしょうか?

 

それは、ユニクロやニトリと同じSPAモデル

にあるといわれています。

 

SPAとは、自社で製品の企画から製造、販売

まで一貫して行うビジネスモデルのこと。

 

ABCマートでは、アディダスやニューバラン

スといったナショナル・ブランドも取り扱っ

ていますが、主力はヴァンズやホーキンスと

いった自社で商品を企画・生産・販売を行っ

ているプライベートブランドです。

 

ナショナル・ブランドも扱ってはいますが、

ABCマートでしか購入できないオリジナルの

限定商品を先方の企業と共同開発することで

ディスカウンターとの価格競争を避けています。

 

SPAモデルのメリットは、店舗での接客を通

して感じ取った顧客のトレンドやニーズをす

ぐさま商品企画に反映させ、短期間で商品を

生産し、店舗に投入すること。ビジネスチャ

ンスを逃さないという点です。

 

ABCマートの場合は、毎日販売データを分析

して売れ筋商品を見極めているのはもちろん

全社員が週に1回は必ず店舗で接客し、数字

には表れてこない生の顧客の声を収集してい

ることです。

 

とりわけ関心するのが、社長自らも月に2回

は定点観測している都心の店舗があること。

他にも月に2回は関東近郊の店舗に出向いて

接客するなど、現場での情報収集を大切にし

ていることです。

 

このように、社員全員が店頭に立って顧客と

コミュニケーションを図ることで、なぜ売れ

たのか、そして今後どのようなシューズが売

れるのかを日々調査しているのです。

 

連結売上高2,135億円、従業員数8,026名の

上場企業の社長が未だに現場に立ち、接客を

通して現場での情報を収集するという事実。

 

社員全員が週に一度は必ず店舗で接客し、数

字には表れてこない生の顧客の声を収集して

いるという事実。

 

やはり業界トップの企業は違うな、というの

が正直な印象です。

 

ちなみに社長の座右の銘は、

「机で分析、現場で検証」

見習いたいものです。