絞り込むべきか、広げるべきか。

 

建売業界、不動産業界に限らず多くの業界が

難しい舵取りを強いられる時代になってきま

した。

 

あらゆる産業が成熟期を迎えることに加え、

人口が減少していく時代です。一時的には儲

かるビジネス(商品)もありますが、賞味期

限は限定的。いつまでも売れ続けるビジネス

(商品)は多くはありません。

 

そのせいか、色んなビジネスに手をつける社

長さんが増えてきました。元々、社長をやる

人は好奇心が旺盛な人が多いもの。新しいも

のには目がない人が多いからです。

 

では、これからの企業は積極的に新しいビジ

ネス(商品)に取り組むべきなのでしょうか?

 

答えはわかりませんが、

積極的に新しいビジネス(商品)に取り組も

うと考えている人はビジネスに取り組む前に

考えるべきことがあります。それが、ジャム

の法則です。

 

これは、コロンビア大学ビジネススクールの

シーナ・アイエンガー教授の実験でわかった

法則なのですが、

 

あるスーパーで、24種類のジャムと6種類の

ジャムを棚に並べて売上を調べたところ、

 

6種類のジャムを置いたときのほうが

24種類のジャムを置いたときよりも

10倍も売上が上がったのです。

 

一見、選択肢が多いほうが自分にぴったりの

ものを選べるのでお客様は喜ぶと思いがちで

すが、現実には選択肢が多くなると、選ぶの

に迷ってしまって決められず、購入に結びつ

かなくなってしまうのです。

 

なぜ、この話をしたのかというと、

この話は売上に関することだけでなく、あな

たの今後のビジネスにも大きく関係すること

だからです。

 

きっと色んなビジネス(商品)に手を出そう

としている社長さんは、将来の不測の事態に

備えることが目的なのだと思います。

 

一つのビジネスがダメになっても、他のビジ

ネスがうまくいけばなんとか持ちこたえられ

る。そのためには、経営の柱をいくつも持た

なければならないと考えているのでしょう。

 

しかし、多くの選択肢を持つことは一見会社

を安定させることのように見えますが、それ

ぞれのビジネスにかけられるパワーは少なく

なってしまうと言うこと。少ない戦闘力で競

合と戦わなければならないことになります。

 

果たしてそれがこれからの時代に勝てる戦略

なのかどうか。そこの見極めが重要です。

 

あなたの会社は色んなビジネスを広く浅く展

開すべきなのか、

 

それとも今のビジネスに絞り込んで深く追求

すべきなのか、

 

ジャムの法則を見る限りでは、たくさんの選

択肢を持つより、少ない選択肢で勝負する方

が成功する確率は高いようです。

 

そこのところくれぐれもお間違いなく。